ヘタウマなイラストについて本気出して考えてみた
僕はヘタウマイラストレーターを名乗っているが、ヘタウマというワードにこだわりがあるわけではない。
昔勤務していた会社の上司に
「あなたのイラストはヘタウマだね」と言われたので、
「じゃあヘタウマとして売り出してみっか」くらいしか思い入れはない。
あとはすでにジャンルが確立されているのでそれに乗っかろうかなと。
とはいえ、しばらくこのワードを使ってilaught(イラフト)を広めていこうと思うのでwebサイトリニューアルを機会に自分なりに掘り下げてみようかと思います。
そもそも「ヘタウマ」ってなんだという話。
とりあえず、広辞苑にも国語大辞典にも載っていなかったので、wikiってみた。
”創作活動において技巧の稚拙さが、かえって個性や味となっている様を指す言葉。技術が下手で美術的センス、感覚がうまい、つまり技巧が下手でしかも人を惹きつけて止まない魅力があるものを指す。ただし、稚拙さ技術不足ととるか、計算や個性、あるいは味と捉えるかは、受け手の主観によるところが大きいため明確な定義は存在しない。”
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』https://ja.wikipedia.org/wiki/ヘタウマ 2017年2月11日 (土) 02:40更新 )
ということらしい。なるほど。
ヘタウマの「ヘタ」については非常にわかりやすい。
具体的に言えば、
●色の塗り方が汚い(ムラがあって雑)
●描写力がない
●ストロークが安定してない
などなど、誰もがイメージできる技術的に劣っていることを指すということか。
それに比べてヘタウマの「ウマ」の部分は非常に曖昧。
”味がある”という言葉も個人の主観に左右されることが大きく、それを「ヘタウマ」と捉える人もいれば、「ヘタクソ」と捉える人もいる。ただ、その”味”に関しては美術的な巧さではないので(あくまでヘタ)、それ以外の魅力と解釈することはできる。
また、「ウマ」の部分には様々な魅力が含まれている気がする。
例えば、有名なヘタウマイラストレーターの湯村輝彦さんや花くまゆうさくさんの作品も”おもしろい”という人もいれば”かわいい”という人もいる。「何かいいっすね!」と曖昧な感想をハイテンションでいう人もいる。それを全部ひっくるめて「ウマ」としている。
ここで一回まとめると
ヘタウマとは、
「技術的にはヘタだけど何か魅力のある創作物」
ということになる。
ヘタでも何かしらの魅力を感じられれば、それはすべて「ヘタウマ」なのだ。
ヘタウマと”ヘタウマなイラスト”の違い
ただし、「ヘタウマなイラスト」となってくると話は変わってくると思う。
トップページでも説明しているように、イラストとは文章の代わりに物事をわかりやすく説明する図解でなければならない。
極端な例でいうと、犬のイラストとして描いているのにネコだと思われたら、それはイラストではなくただの「絵」でしかない。
僕が携わっているテレビ関係の仕事では特にわかりやすさを求められる。演者のエピソードトークの補足としてイラストを使う場合、イラストが画面に表示される時間は5〜10秒ほどしかない。その僅かな時間で視聴者全員にイラストの内容を理解させる必要があるので、極端にわかりやすいイラストでなければならない。
ただのヘタウマならおもしろければ何でもいいが、”ヘタウマなイラスト”の場合はある程度の描写力は求められる。
ilaught(イラフト)のヘタウマなイラスト
ilaughtでは、特に以下の3つを意識してイラストを提供している。
1.わかりやすい
2.おもしろい
3.かわいければなお良し
これがヘタウマの”ウマ”にあたる。
laughtは人を笑わせる・笑顔にすることを目的としたイラストレーションのスタイルである。(illustlation + laught)
コント番組(おもしろい)と、動物番組(かわいい)では、笑いの性質が全く違うのだが、その2つをウマく取り入れたのが、ilaughtの”ウマ”なのだ。
「ilaughtさんの絵を見て、笑ってしまいました!」の一言が僕にとっては最高の褒め言葉である。
最後に、
ilaught的ヘタウマなイラストを定義してみる。
「下手なように見えるけど、なんか笑ってしまうイラスト」
…まあ、堀下がったのかちょっとよくわかんないけど、
ここをめざして、ilaughtなりのヘタウマ道を邁進していきたいと思います。